ART・POEM

さびしいはなし

 

 

 

さびしいはなしをつくろうとおもった

 

さびしいはなしをあなたにささげようとおもった

 

しかしいまのわたしがおもいつくさびしいはなしは

 

さびしいくらいに中途半端にさびしくて

 

さびしいわたしがさびしいはなしをつくることは

 

不可能であるというさびしさにきがついて

 

とてもとてもさびしくなった

 

さびしい人はなにをすることもゆるされないのか

 

そんな疑問もさびしい風にふかれてもうどこにもない

 

さびしいおもいも余韻だけのこしてもうきえてしまった

 

さびしい人はなにをすることもゆるされないのか

 

さびしいはなしをつくることも

 

さびしいはなしをあなたにささげることも

 

だれかとこのさびしさをわかちあうこころもゆるされないのか

 

このねがいもさびしい風にすぐふかれてきえるだろう

 

さびしいとかんじるこのこころも

 

中途半端にさびしい疑問も

 

さびしいさびしい人としてのさびしいねがいも

 

さびしいさびしい人としてのひととしてのねがいも

 

つめたくもあたたかくもすずしくもない

 

さびしい風にすぐふかれてきえるだろう

 

さびしい風にすぐふかれてきえるだろう

 

さびしい風にすぐふかれてきえるだろう

 

 

 

(呼吸とともに寿命が縮むさびしい生物のさびしいはなし)